不機嫌な赤いバラ (1994) : Guarding Tess

誇り高き元大統領夫人と血気盛んなシークレット・サービスの丁々発止のやりとりをユーモラスに綴った、ハート・ウォーミングなヒューマン・ドラマ。監督はコメディ・タッチの作品を得意とするヒュー・ウィルソン。脚本はウィルソンとピーター・トロクヴェイの共同。主演はシャーリー・マクレーンとニコラス・ケイジ。共演はオースティン・ペンドルトン、エドワード・アルバート、リチャード・グリフィスら。

不機嫌な赤いバラ (1994) : Guarding Tessのあらすじ

自らの任務に誇りを持つシークレット・サービスのダグ・チェズニック(ニコラス・ケイジ)が、“不本意な3年間”を務め上げてワシントンに帰任した。今度は中央での活気ある任務を願う彼の心とは裏腹に、大統領直々の命令による任務の継続を命じられる。

彼がオハイオ州の田舎町で仕えたのは、前大統領夫人のテス・カーライル(シャーリー・マクレーン)。彼女はファーストレディ時代の人気そのままに隠遁生活に入ったが、銃を持った男にウロウロされるのが大嫌いで、そのうえ頑固で横暴でわがまま。警護のマニュアルは通用しない彼女に、ダグはほとほと手を焼いていた。彼の任務継続はテスの画策によるもので、あなたが必要だからとこともなげに言うテスに対し、彼の堪忍袋の緒が切れた。彼はテスと部下たちに、今後はマニュアル通りにやると言明するが、彼女のわがままパワーは一向に衰えない。義務感にかられるダグにとって耐えがたい日々が続いた。

オペラ鑑賞に出掛けた帰路、テスの乗った車がダグらスタッフたちの車をまいて遁走した。地元警察の失笑を買う騒ぎにダグは怒り心頭、運転手のアール(オースティン・ペンドルトン)を厳しく叱責するとともに、テスに退任を求めた。売り言葉に買い言葉で、ついにダグ以下のスタッフは屋敷から出ていくことに。だが、大統領から事態を憂慮する電話が入り、ダグの側から折れざるを得なかった。詫びるダグにテスは初めて、長い間溜まっていた心の内をさらけ出す。現役中に悩んだ夫の浮気、バリー(エドワード・アルバート)ら子供たちとの疎遠な関係……。彼女はまた、離婚歴のあるダグのプライベートにまで熟知していた。彼はテスの孤独と人間味に初めて触れた気がする。地元に設立されたカーライル図書館の落成式に大統領が出席できなくなるが、それでも滞りなくホステス役を努めるテスに、ダグは初めて親近感を覚える。

そんなある日、テスは彼をお供にピクニックに出掛けるが、そこで彼女は何者かに誘拐された。ダグはアールを締め上げて彼の妹夫婦の犯行であることを白状させ、廃屋の地下に埋められたテスを救出した。悪性の脳腫瘍であることを知っていたテスは、大統領に電話して自分に何かあった場合、彼を優遇してほしいと頼む。病院を退院する日、車椅子に乗るのはイヤだとタダをこねるテスに、ダグは毅然として座るように命じ、彼女はその言葉に従った。

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